アユ

アユ

アユは北海道西部以南から九州までの湖沼や河川に生息しています。本県では霞ヶ浦水系、那珂川、久慈川、利根川や鬼怒川などに生息しており、アユ釣りやアユ漁が盛んに行われています。本県のアユには一生のうちに海と川を行き来するアユ(久慈川や那珂川など)と、海へは行かず淡水域で一生を過ごすアユ(霞ヶ浦水系)がいます。

生産の流れ

親魚確保・養成

アユ 親魚確保・養成茨城県水産試験場内水面支場(以下「内水面支場」という。)において、霞ヶ浦水系の天然アユを確保し、飼育管理を行います。

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採卵(人工授精)

アユ 採卵(人工授精)アユは秋に産卵期を迎えます。内水面支場において、成熟した雌と雄の親魚から卵と精子を採取し、人工授精を行います。

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卵管理

アユ 卵管理内水面支場において、受精卵を着卵器に付着させて管理します。

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着卵器

アユ 着卵器卵は沈性付着卵で、大きさは約1mmです。

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発眼卵

アユ 発眼卵受精後5~7日で発眼卵になり外部からの衝撃に比較的強くなります。そのため、内水面支場から栽培漁業センターへ移す作業は、この発眼卵の時期に行います。

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発眼卵の輸送

アユ 発眼卵の輸送発眼卵をトラックで内水面支場から栽培漁業センターへ輸送します。

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発眼卵の搬入

アユ 発眼卵の搬入栽培漁業センターでは大型水槽に淡水を貯めておき、そこへ着卵器を収容して、ふ化を待ちます。

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種苗生産

アユ 種苗生産アユの稚魚を7cmの大きさまで育てます。飼育中は、餌や水質、照明などに気を配ります。餌としてふ化直後からシオミズツボワムシを与え、その後は成長に合わせてアルテミアの幼生、配合飼料を与えます。

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ふ化

アユ ふ化採卵してから10~14日程度で5~7mmのふ化仔魚が誕生します。ふ化後、水槽に少しずつ海水を注水し、2週間程度かけて淡水飼育から海水飼育に移行します。

アユ ふ化後10日ふ化後10日で12~14mmの大きさになります。鰭はまだ膜状です。

アユ ふ化後40~45日ふ化後40~45日で3cmの大きさになります。鰭は親魚の形に近くなりますが、鱗はまだありません。

アユ ふ化後60~70日ふ化後60~70日で5cmの大きさになります。この頃になると鱗ができ始めます。

アユ ふ化後100~120日ふ化後100~120日で7cmの大きさになり、茨城県に引き渡されます。

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取り揚げ・選別

アユ 取り揚げ・選別出荷前日に稚魚を取り揚げて計量、選別を行います。出荷する稚魚は海水飼育から淡水飼育へ切り替える必要があるため、翌日まで水道水で1/2に希釈した海水で飼育(淡水馴致)します。

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出荷

アユ 出荷稚魚を内水面漁協等が実施する中間育成場へ出荷します。

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中間育成

アユ 中間育成内水面漁協等が中間育成を行い放流サイズまで育てます。搬入した稚魚を河川水や井戸水などを使って淡水飼育します。

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放流

アユ 放流放流サイズまで成長した稚魚は県内河川へ放流されます。