アワビ(エゾアワビ)
アワビの中でもエゾアワビは、北海道・東北地方を中心に生息し、 茨城県が分布の南限です。岩礁域にすんでおり、海藻を餌とします。 天然の海では、ふ化から約5年で11cmになります。
生産の流れ
親貝養成
|
採卵
|
ふ化・幼生期・採苗(波板付着)
このとき、珪藻【けいそう】の着いた波板を入れると幼生が付着し、変態します。これ以降から繊毛【せんもう】を捨てて付着幼生となり、付着生活に切り替わります。 |
波板飼育
食べられずに残った珪藻は日光を受けて再び増殖するので、「食べられる量」と「増える量」のバランスが保たれていれば餌不足になることはありません。 |
稚貝はく離
|
網イケス飼育
この時期の稚貝は、天然海ではコンブやアラメなどの海藻を食べますが、ここでは配合飼料を与えて育てます。配合飼料の栄養価は高いので稚貝が良く成長します。また、その成分の影響で貝殻が鮮やかな緑色で作られます。 |
選別
これは遺伝的な原因や飼育環境の悪化によるものですが、そのまま同じ網イケスの中で飼育すると大きい稚貝ばかりが餌を食べてしまい小さい稚貝が育ちにくくなってしまいます。 そこで大小の選別を行い、稚貝の大きさをそろえてから再び飼育します。 また、放流前にも選別を行い、放流方法や漁場に適した大きさで放流できるように稚貝をサイズ分けします。 |
放流
放流は、岩場の海藻が豊富な場所に、船上放流や潜水放流、放流器を用いた放流によって行われます。 特に潜水放流と放流器を用いた放流では、天敵に食べられることが少なくなり、生き残る確率が高くなります。 放流した稚貝は、その後成長しても網イケス飼育中の配合飼料で着いた貝殻の緑色が残るため、これを標識として利用しています。放流貝の漁獲回収率は約20%で、貝殻の色以外は見かけ・肉質とも天然のものと区別がつきません。 |